リストの演奏

超絶的な技巧と音楽性から、リストには指が6本あるのではないかという噂が出回り、あまりの演奏力の高さから信じられていたほどです。6本目の指はありませんが、幼い頃から指を広げる練習を続け、10度の音程も軽々と押さえることができました。リストの作る曲には、両手を広げて4オクターブにかけて音を使うものが多くあります。また、かなり速いパッセージでも音数が多い和音を多用し、よほどのテクニックを得ないと弾けないような曲がたくさんあります。

ただ、ショパン作曲の「12の練習曲 作品10」だけは初見で弾くことができなかったそうです。そのことを起因として突然パリから姿を消し、数週間後戻ったときには完璧に弾きこなしてショパンを驚かせ、同曲を献呈したと言われています。
ショパンは当初、高い技術力で万人を魅了するリストの演奏に好意的でしたが、あまりにも技術に偏りすぎる傾向に、否定的となりました。リストの晩年の作品には、技術力より表現力にこだわった傾向が多く見られます。

リストの演奏は、繊細な趣がありながらも、非常に情熱的で力強いことで知られ、演奏中にピアノのハンマーが壊れたり、弦が切れることも度々ありました。このためリストはピアノを3台用意して演奏することもありました。ピアノ製造のベーゼンドルファーは、このリストの情熱的な演奏に耐えたことで有名になりました。
リストの演奏に衝撃を受け、気絶する観客がいたことは有名ですが、リスト自身も自分の演奏中に気絶することがあったようです。