リストの作品

音楽史の上で見ると、ベルリオーズが提唱した標題音楽をさらに発展させた交響詩を創始したのがリストで、ワーグナーなどと共に“新ドイツ派”と呼ばれました。ブラームスなどの絶対音楽にこだわる音楽家とは一線を画しました。

ピアノ演奏の技術が卓越していたため、ピアノ曲を中心に作曲しています。演奏の他、編曲が得意なことから、自身が作曲したオーケストラ作品の多くを、ピアノ曲へと編曲しています。作曲家としての人生は、ピアニスト時代(1830~1850年頃)、ヴァイマル時代(1850~1860年頃)、晩年(1860年頃~没後)と、3つの時代に大きく分類されます。

ピアニスト時代にはオペラの編曲を始め、ピアノ曲を中心に作曲しました。演奏力を披露する場面が多く、当時の曲はかなり難しいテクニックを必要とするものがほとんどです。

ピアニストの第一線を退いたヴァイマル時代は、作曲家として最も活躍した頃です。リストの有名な曲のほとんどはこの時期に作曲されたものです。難易度も劣ることなく、過去に作曲した作品を大幅に改訂することもありました。リスト作曲の交響詩や交響曲も、ほとんどがこの時代に作られています。

晩年には、10分以上のピアノ曲が減り、短く無調的になりますが、深みのある音楽が増えます。特に1880年以降に作曲したもののほとんどは5分以内で完結し、さらに深みを増していきます。1885年には、長年追求し続けた無調音楽を「無調のバガテル」で完成させました。